人工毛植毛のメリットとデメリット

そもそも人工毛植毛とは?

人工毛植毛手術とは、薄毛を目立たなくしたり髪の毛のボリュームを増やす(正確には増えたように見せかける)ために、人工的に作られた髪の毛を生え際や頭頂部等の髪の毛が薄い部分に移植する手術です。

使われる人工毛はナイロンやアクリルの一種であるモダクリル等の合成化学繊維。もともとは事故ややけど等で毛髪を失ってしまった人向けの医療用のものであるため安全性は保障され、また本物の毛髪と馴染むように作られているため、見るからに作り物の毛と分かるような品質ではありません。

このような人工毛を使った植毛手術は、たとえ生え際から頭頂部にかけてつるつるであろうとその部分をしっかりカバーし、植毛した毛と地毛の区別がつかないほど自然な仕上がりにすることが可能です。

髪の量が少なくてもできる点が人工毛植毛のメリット!

人工毛植毛のメリットとして、まず髪の量が少なくてもできるという点を挙げることができます。

人工毛植毛に対して自分の毛を移植する自毛植毛がありますが、この方法は側頭部や後頭部から毛根周りの組織を採取する必要があるため、男性型脱毛症の進み具合によっては植毛できない場合も考えられます。

これに対して化学繊維でできた人工毛を用いる人工毛植毛には自毛の量は関係なく、たとえまったくない人であってもこの植毛手術を受けることができる点が大きなメリットです。

また人工毛植毛では、自分の理想とするイメージ通りの髪形にすることができます。自毛植毛では自毛の状態により植毛できる本数が決まってしまいますが、人工毛を使えば希望の本数を植毛することができるためどのような髪形も可能となるのです。

さらに即効性も自毛植毛と比べてメリットとなっています。自毛を植毛した場合、その毛は毛髪のヘアサイクルに従って伸びるため、生えそろうには数ヶ月から半年程度の期間が必要です。しかし人工毛植毛の場合には、希望の長さの人工毛を植毛するため植毛したその時点で一気にボリュームをアップすることができます。植毛のための通院や長期的に入院をする必要がなく、 施術後すぐに通常の生活に戻ることができる点もメリットです。

安全性の点では不安も

人工毛植毛最大のデメリットといわれているのが、体内に入ってきた異物に対する拒絶反応です。人工毛植毛ではナイロン等の化学繊維を頭皮の中に埋め込むため、異物である人工毛に対して、炎症や感染症等の皮膚トラブルという形で体が拒絶反応を起こしてしまいます。

これらのトラブルは薬などでよくなる場合もありますが、最悪の場合にはせっかく植毛した人工毛を抜かなければならないこともあり、大きなデメリットです。

また人工毛植毛は普段通りに生活していても抜けてしまう可能性があり、いずれは見た目でもはっきりわかるほど大量の人工毛が抜け落ちてしまうことも考えられます。

そして毛根自体とは何ら関係のない人工毛は、 一度抜けてしまったら同じ場所から再び生えてくることはないのです。この点も人工毛植毛のデメリットといえます。

なお抜けやすく生えてこないという点は、さらに費用もかさむというデメリットにもつながります。人工毛植毛を施した後、多くのケースで髪の毛のボリュームや髪形を維持するために必要となるのが、植え直しのメンテナンスです。その都度費用がかかることになり、生涯を通してはかなりの出費になってしまいます。

人工毛植毛を選ぶ場合には、専門家と十分な相談を!

人工毛植毛については、植毛した毛がすぐ抜けてしまった、植毛した頭皮に感染症が発生した等のトラブルの報告が多く、海外では人工毛植毛を禁止している国もあります。

日本の厚生労働省は現時点では人工毛の使用を禁止してはいませんが、基本的にはこの治療法はとらない方がいいとのスタンスです。

しかし人工毛植毛には、たとえ自毛が全くなく禿げあがっている人でも手術を受けることができる点や、手軽にしかもすぐに効果を得ることができるという大きなメリットもあります。

人工毛植毛を考えているのであれば、このようなメリットデメリットを踏まえて専門家である医師と十分に相談することが必要です。